待望の<鬼畜>を鑑賞した。
いやー面白かった。
映画の前半部分は、妾が産んだ子供(3人)を置き去りにされて、あたふたする男の姿が描かれており、ともすれば、喜劇のような雰囲気なんだけれど、だんだんと話が進んでいくにつれて、悲劇に向っていく様は、何とも言えない切なさを感じさせる。
ラストに子供が発する「父ちゃんなんかじゃないやい」が胸を打つ。
それにしても、岩下志麻の<鬼嫁>ぶりは凄まじかった。
話では、監督の厳命で撮影以外でも子供たちに対しては強く当たっていたらしくて、子供たちは本当に岩下志麻を怖がっていたと言う。
それが、映画の中で見事に反映していた。
そして、緒形拳の哀愁漂うダメっぷり亭主も見事で、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を獲得したのも頷ける演技だった。
惜しむらくは子供たちのセリフが棒読みで<言わせられている感>が強かったのが、ちょっと残念だったかな。
まあ、それを差し引いても、面白い映画だったことには間違いない。