以前、読んだ荻原浩箸の「海の見える理髪店」が思いのほか良かったので、著者の他作品も読んでみようと、ネットで検索していたら、本書のタイトルが良さげだったため、図書館で借りることにした。
あるきっかけで銀行を辞職した主人公が仕方なくタクシードライバーに鞍替えし、現在とは違う人生に想いを馳せる話。
「あの時、こうやっていれば」とか「なんで、あんなことしちまったんだろう」とか誰もが持ち合わせているであろう<後悔の念>を軸に話は進んでいくのだけど、とりわけ大きな事件が起きるでもなく、話が主人公の夢想に終始しているので、正直途中からは読んでいて退屈だった。
しかし、銀行やタクシー業界の実情が知ることができたという点では、良かったかもしれない。
内容は個人的にややハズレ感はあったものの、文章の筆致自体は僕好みで読みやすかった。
また、他の作品も読んでみよう。