直木賞受賞作である荻原浩箸の「海の見える理髪店」を遅まきながら読んでみた。
随所に伏線が張られていて、最後は思いもよらぬ結末で読後感はいい。
文中に登場する有名俳優は名前こそ出てこないが、"高倉健”を想像させる。
理髪店の主人が自分のこれまでの人生を語り、それに呼応するかのように客の青年が主人の熟練の技に感嘆する様が交互に描かれている。
こう言う文体はこれまで触れることがなかったから、新鮮だった。
<小説の表現は自由でいいんだ>と思わせてくれる作品。
著者の他の作品も読んでみたい。