赤松利市。
現在、注目している小説家の1人で、デビューが62歳という、かなり異色の作家だ。
一見コワモテだけれど、物腰は非常に柔らかい。
そして、デビュー前の経歴が凄まじく、波乱に満ちている。
- 有名私大を卒業して、会社員を経験後、35歳で起業。
- 一時は年収2000万円を超えるも、やがて破綻。
- 逃げるように、東日本大震災後の東北へ渡る。
- 土木作業員や除染作業員をやりながら、復興バブルの恩恵を受けようとするも、徐々に追い詰められ、所持金5千円で上京。
- 風俗店での呼び込みをしながら、食いつなぎ、漫画喫茶で書き上げた小説が<大藪春彦新人賞>を受賞。
- その後、山本周五郎賞の候補になったり、大藪春彦賞を受賞したりして、今に至る。
著書はまだ、少ししか読んでいないけれど、自身のこれまでの人生を色濃く反映した作品が多い。
以前、このブログで<大器晩成>に関する記事を書いたことがあるけれど、一度転落してからの62歳作家デビューはインパクトとして申し分ない。
とりわけ、現在、不遇に喘いでいる中高年の人たちにとっては、きっといい刺激を与えてくれる人物ではなかろうか。