以前からドラマの存在は知ってはいたものの、中々見る機会がなかった。
しかし、ケーブルテレビのオンデマンドでたまたま放送していたので、とりあえず第1話だけ、見ることにした。
<市川崑劇場>と銘打っているだけあって、随所に市川崑の世界が垣間見える。
特に一番、印象的なのは、和服の裾が襖に挟まれヒュッと引っこ抜く場面。
見た瞬間、顔がつい、にやけてしまった。
知らない人からすれば、何の変哲もないシーンに映るけれど、このドラマの4年後(1976年)に劇場公開した<犬神家の一族>にまるっきり同じシーンが出てくるのだ。
古館弁護士の助手である若林の依頼で那須にやってきた金田一(石坂浩二)が宿泊先のホテルの女中・はる(坂口良子)をからかって、それに気分を害したはるが金田一の部屋から出ていき、襖を閉めた際に裾が挟まってしまい、ヒュッと引っこ抜くのだ。
市川監督が<犬神家の一族>を制作する際、構想の中で<木枯し紋次郎>のあのシーンを使おうときっと温めていたのかも知れない。
あと、上條恒彦が歌う主題歌も時代劇には似つかわしくないほどのスタイリッシュさで、つい、口ずさみたくなるメロディだ。
ちなみに二瓶康一(本名)時代の火野正平が宿場のチンピラ役として出演しているところも見所ポイントかな。
とりあえず、1話だけだと思っていたけれど、これは2話以降も見るしかないな。