<将棋>というものは、この世にあるたくさんのゲームの中の一つに過ぎないのだけれど、ゲームと言えども、見ているといろんなことを教えてくれる。
教えてくれると言っても、戦術的なものではなく、精神的なもの。
特にタイトル戦のようなトッププロ同士の対局だと顕著だ。
自分が不利に立たされた時、劣勢になった時の対局への向かい方(姿勢)がいかに大事か。
通常、劣勢に追い込まれると、自ずとあきらめの気持ちが芽生えてくる。
そして、劣勢の時間が長くなればなるほど、負けを認めて(投了)、早く楽になりたいと思いがちである。
でも、棋士たち(特にトッププロ)はどんなに苦しくても逆転の糸口を必死に見つけようとする。
決して、あきらめない姿勢。
大山康晴十五世名人が残した有名な言葉
「助からないと思っても助かっている」
一見、窮したと思う局面であっても、思考を巡らせば、本当は脱していることは多々あるものだ。
もちろん、100%とはいかないまでも、簡単に投げない姿勢は大事である。
これを人生に置き換えると、例えば、年齢がいっているからと言って、あきらめて行動に制限をかけてしまいがちだけど、思考を巡らせば、その年齢に見合った戦略はきっとあるはずである。
何ごともすぐにあきらめずに、成就できる糸口を必死に探してみる。
その姿勢がきっと人生を豊かにしてくれるはずである。