食材によって、利用するスーパーを分けているのだけれど、本日、最初に行ったスーパーで、20半ばぐらいの青年がブツブツとひとりごとを発しながら、特に何かを買おうとするでもなく、レジ付近の同じ場所を行ったり来たりしていた。
それを見ていたレジの店員も戸惑いの表情を見せつつも、特に声掛け(注意)することもなかった。
僕も
「まあ、そういう人もいるよなあ」
ぐらいな感覚で、特に気にも留めずに、レジで会計を済ませ、食材をリュックに詰め、スーパーを後にした。
そして、最初のスーパーから自転車で5分ほどの距離にある2件目のスーパーに立ち寄り、お目当てである食材をカゴに入れて、レジで会計を済ませ、袋に食材を詰めていると、背後で何かブツブツとつぶやいている声がした。
「何だか聞き覚えのある声だなあ」
と思って、振り返ると、最初のスーパーで見かけたあの青年だった。
思わず、「え?」と声が出そうだったけど、かろうじて飲み込んだ。
「僕が帰ろうとしているとき、まだ、行ったり来たりしてたやん」
と思いつつも、あまりにもの偶然に一瞬、跡でもつけられたのかと疑ってしまった。
自転車置き場からガラス張りの店内が見えるのだけれど、彼は相変わらず、レジ付近の同じところを行ったり来たりしていた。
よっぽど、レジ付近が好きなんだなと思いつつ、スーパーを後にした。
もうこの後は、別のスーパーへ行く予定はなく、そのまま家路についたのだけれど、あの青年はあれからまた、ジプシーのように別のスーパーへ行ったのだろうか。
ちょっと、気になる。