行きつけのサウナは腰掛ける場所が三段構造になっていて、ほとんどの人が一番高い三段目に好んで座っている。
三段目が満席で、仕方なく二段目、一段目に座っている人も、三段目が空くやいなや、すかさず三段目に移動する。
そう。
みんな、隙あらば、三段目を虎視眈々と狙っているのである。
三段目は二段目、一段目に比べて、高温がゆえに、即、汗がかけるという点が人気の理由だと思うのだけれど、僕はさほど、三段目にこだわりはない。
確かに三段目はすぐに汗がかけるのが利点だけど、二段目、一段目で時間をかけて、じっくり汗をかくのも、それはそれでいいものである。
むしろ、そっちのほうが体に負担をかけずに汗をかけるから、僕は好きである。
三段目が人気だと言っても、ご高齢のおじいちゃんたちは、二段目、一段目に座っている人が多い。
三段目の肌を突き刺すような熱さはおじいちゃんたちにはきっと、凶器に違いない。
まあ、いずれにしろ、サウナに関しても、みんな、タイムパフォーマンスを重視しているんだよね。
たぶん。