うちの近所で、立て続けに戸建とアパートが取り壊しの真っ最中である。
重機で外壁が壊され、家(部屋)の中が剥き出しになっている。
通常ならば、壁で覆われて見えない家(部屋)の中が白日の下に晒されると、何か見てはいけないものを見てしまったような感情に陥る。
と同時に何とも言えない寂しい気持ちが芽生えてしまう。
もちろん、取り壊されていく戸建やアパートに思い入れなど少しもないし、ましてや、住んでいた人たちを知っているわけでもない。
だけど、特に戸建なんかは、そこに住んでいた家族が自分たちの歴史を紡いできた思い出の場所でもある。
結婚して、ローンで家を買って、子供が生まれ、そして、その子供たちが巣立ってゆく。
楽しかったこともあったけど、喧嘩が絶えなかった日々もあったかも知れない。
そんな思い出の場所がなくなって、家族の気持ちを想像すると、自ずとそんな感情になってしまうのだ。
「形あるものは必ず壊れる」
まあ、自然の摂理とは言え、やっぱり寂しさが募っちゃうんだよなあ。