救急車のサイレンの音で目を覚ます。
時計を見ると、夜の3時。
どうやら近所で鳴り続けているようだ。
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その昔、自宅で、下戸にもかかわらず、ビールを無理して飲んで、気持ち悪くなったことがある。
そして、その気持ち悪さが段々と酷くなって、吐きそうになった。
でも、吐きそうなんだけれど、吐けない。
頭の中がグワングワンしている。
これはヤバいと思って、119番に電話しようと思ったんだけれど、どうしても、近所の目を気にしまって、ダイヤルを押せない。
サイレンを鳴らして、自宅まで来られたら、近所に申し訳ないやら、こっ恥ずかしいやらで、救急車を呼ぶことを躊躇った。
もう仕方ないので、水を大量に飲んだ。
それが功を奏したのか、ほどなくして落ち着いた。
恐らく、急性アルコール中毒に陥ったと思うんだけれど、どうにか最悪な場面は回避することができた。
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真夜中にサイレンを耳にしたら、そんな苦い出来事を思い出してしまった。