十何年ぶりに鑑賞。
ノスタルジックな雰囲気が色濃く残る<尾道>を舞台に、ある日男女の体(というか心?)が入れ替わってしまい、お互い自分の体に戸惑いながらも、最後はちょっぴり切なくなる青春映画の佳作。
やはり、この映画で特筆すべき点というと、上半身を露にする小林聡美の脱ぎっぷりではないだろうか。
もちろん、映画の中ではそんな素振りは微塵も見せていないけれど、当時、10代半ば過ぎの年齢であったことを考えると、いざ脱ぐとなった時は相当勇気がいったんだろうなあと想像する。
そして、小林聡美が跨線橋の長いスロープを自転車で駆け上がるシーンは、二人が石段を転げ落ちるシーンと並んで、忘れらない名場面のひとつである。
ただ、見ていて一つだけ残念に思ったのは、小林聡美演じる「斉藤一美」と尾美としのり演じる「斉藤一美」のそれぞれの口調や所作があまりにも違いすぎたこと。
尾美としのりの「斉藤一美」は少しナヨナヨしすぎる感があったことは否めない。
しかし、全体的には尾道の風景と相まって、素晴らしい青春映画に仕上がっていることは間違いない。
ラストでの「さよなら、ワタシ」は今、見ても、胸に迫るものがある。
うん、いいものを見た。
満足。