本作は直木賞作家である著者が余命宣告を受け、逝去直前までの日々を綴った日記を書籍化したものである。
所々でユーモラスなタッチで綴られてはいるものの、病状の深刻さがリアルに描写されているため、ページをめくるごとに胸が苦しくなった。
<人生100年時代>と言われている今、58歳でこの世を去らなければいけなくなったことは、さぞかし無念だっただろう。
著者の当時の心情を思うと、何とも切なくなる。
しかし、献身的な旦那さんをはじめ、周りが温かい人たちばかりで、そこだけは救いだった。
著者の作品は遠い昔に「プラナリア」を読んだだけであるけれど、これを機に他作品も読んでみようかな。