Life is very short

人生なんてあっちゅうま

豆炭あんか

 

就寝時の暖房器具と言えば、<電気毛布>や<電気あんか><湯たんぽ>などが主流だと思うけれど、僕が実家に住んでいた頃は<豆炭あんか>一択であった。

 

<豆炭あんか>とは、名前の通り、専用のあんかの真ん中に熱した豆炭を入れて暖を取る器具のこと。

 

いちいち<豆炭>を熱さないといけない面倒くささがあるけれど、保温力は抜群で朝までその温かさは落ちなかった。

 

もちろん、そのままでは火傷をしてしまうので、専用の巾着袋のようなものに入れるのだけれど、ある時、巾着袋のひもの結びが甘かったのか、豆炭あんかが直に太ももに触れて、小さな水ぶくれができてしまったことがある。

 

その水ぶくれの痕は今も太ももに残っており、その痕に指が触れるたびに自ずと<豆炭あんか>のことを思い出してしまう。

 

東京のような都会では、使っている人はほぼいないと思うけれど、地方に行けば、まだ、使っている人っているのかなあ。

 

そんな冬のささやかな思い出。