羽生九段が負けるたびに勝負の非情を知る。
強い姿を知っているだけに何とも寂しい。
現在、将棋ソフトの思考が盤上を制している。
将棋ソフトの思考についていけない者は容赦なく振り落とされていく。
羽生九段も将棋ソフトでの研究は行っているのだろうけど、まだ、十分に会得できていない感じだ。
今まで長い年月をかけて培ってきた思考を、そう簡単に将棋ソフトの思考へとシフトすることは羽生九段にしても難しいことなのだろう。
例えば、現在、竜王戦において藤井聡太竜王に挑戦している広瀬章人八段にしても、四間飛車穴熊から居飛車党へとモデルチェンジを図った当初は、負けが込んでいたように記憶する。
きっと今は羽生九段にとって、思考の端境期なのだ。
いつの日かタイトル前線に戻ってくることを期待する。